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2010年8月16日 (月)

身の程を知る

今月の頭から僕の会社(東京・千駄ケ谷のほう)にSさんという女子高生が通っています。NHKの某番組がらみなのですが、まったくのCG初心者が夏休みを利用してアニメーション作品の制作に挑戦するというものです。女の子だけど趣味はミリタリーという個性的な子で、初心者ながら非常によく頑張ってやっています。作品を作るときに初心者にありがちなのは、意気ごむあまりに壮大なストーリーや設定を考えてしまうことです。CGを作るのは初めてなので、どんなことがどれくらいの期間でできるのかわからないのは当然ですけどね。そして、この内容だと僕でも作るのに2ヵ月かかるよと説明すると、がっかりするわけです。CGだといろいろすごいことが出来そうだと幻想を抱いてしまうんですよね。しかしパソコンもCGも初めてという人が作れるものは非常に限られてしまいます。

CGに限らず、何をやるにしても「身の程を知る」ことは非常に大事だと思うのです。過去に大学や予備校で教えていて感じたのは、やりたいことがうまくいかずに苦労している子に共通するのは「自分の生かし方」が非常にヘタだということです。たとえば自分は安室奈美恵に憧れているからといって彼女のファッションや生き方を真似しても、安室は安室、自分は自分で、所詮他人になることなどできないわけです。仕事や作品制作もそれと同じで、あの人のようになりたいとか、あの作品に憧れているからそんなのを作ってみたいとか思っても、できるわけがないのです。人となりやその人が作るものは、それまでの人生経験から滲み出たり生み出されたりするわけですから、育った環境、経験が全く異なる人が同じことをできるわけがないのです。

「憧れ」と「本当の自分」というのは全く別のものです。むしろ「憧れ」とは本来自分には無いものを求めていることが多く、「本当の自分」とは実は自分が自分で一番嫌いな部分であることが多かったりするわけです。自分に無いものを一所懸命やろうとしてもうまくいかないのは当然で、そのうち息切れして、今まで自分がやってきたのは何だったんだろうと最終的には後悔することになります。逆に自分では「こんなことやれて当然」「こんなことできてもうれしくないよ」と思っていることでも、他人から見れば驚かれたり、感心されたりすることがあったりするわけです。自分では昔から出来ていたことなので何も珍しく思わないし、やってもつまらないと感じるかもしれません。しかしそこにこそ、成功するヒントがあると思うのです。

憧れは憧れとして置いておいて、もっと素直に自分を晒け出すことができれば、無駄な苦労をせずに人生を送れるんじゃないかと思っています。

 

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