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2010年8月30日 (月)

実績

宇宙探査機「はやぶさ」の奇跡的な成功で、「はやぶさ2」の開発が決定されました。「はやぶさ」が失敗していればもちろん「はやぶさ2」の話は出ないわけで、賞賛に値する実績を残したことで次のプロジェクトを手がけることができるようになったわけです。

これは僕らの仕事にもそのまま当てはまることで、クライアントがある映像をCGで作りたい場合、過去に似たような仕事で実績を残している会社に頼もうとします。これは至極当然のことですよね。クライアントにしてみれば、ここに任せれば失敗はないという保証が必要なわけで、ちゃんとできるかどうかもわからない会社に頼むことはまずありません。いくらその会社が他の分野で成功をおさめていて、これはやったことがないけれど、任せてくれれば出来る自信があると主張しても、じゃああなたにお任せしますと簡単に言ってくれるほど世間は甘くはありません。結局仕事においては(少なくともCGに関しては)「過去の実績」が全てなのです。もしどうしてもその仕事がしたければ、クライアントが望むような映像を自主制作として作ってから、それを材料にアピールしなければなりません。

そしてこのことは会社対会社だけのことではなく、会社内についても言えるのです。請け負った仕事をスタッフに振り分けるのに、誰にどの仕事をやってもらうかは、そのスタッフの過去の実績から判断します。もちろんその人の成長を考えて、これができるようになってほしいという期待をこめて任せることも無いとは言えませんが、多くの仕事はスケジュールが厳しいので、そのようなケースは非常に少ないです。やはりその人に任せれば、最低でも70%のクォリティーは保証できるという確信があって任せるのです(最終的には100%のクォリティーに持っていけるよう、こちらでフォローします)。その結果、できる人には常に難易度の高い仕事が回され、そうでもない人には簡単な仕事しか回ってこないことになります。当然、難易度の高い仕事をこなせる人ほど、給料は高くなります。

しかしこれでは、できない人はいつまでたってもできないままじゃないかと思うでしょうが、実は全くそのとおりなのです。会社側はその人のレベルを上げるために教育しないのかと言われるでしょうが、それはそのスタッフの志し次第ですね。給料は安くてもいいから簡単な仕事だけをやっていたいという人もいるわけです。そして、会社で請け負う仕事は、全てが難易度の高いものばかりではなく、簡単だけども非常に制作費が安いものもあるので、スタッフ全員が高スキルである必要もないのです。高スキルの人に簡単なことをやらせるとモチベーションが上がりませんからね。自分のレベルを上げたい、もっと難易度の高い仕事がしたいという志しのある人は、こちらから言わなくても自分で勉強します。仕事の合間の時間に自分で何かを作って、ほら私でもこんなことができるんですよとアピールしますから、その出来次第で、じゃあ君には次回もっと難しい仕事をお願いしようかということになるわけです。

結局は自分がどうありたいかによりますね。成長していくためには実績を作り続けていかなければなりません。しんどいから成長しなくてもいい、現状維持でいいと思う人もいるでしょう。しかし実際には成長しないと現状維持はできないんですね。なぜなら自分以外の周りの人がどんどん成長していくので、相対的には現状維持どころかどんどん落ちていってしまうからです。

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