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2011年2月 1日 (火)

追悼ジョン・バリー

英国の映画音楽作曲家ジョン・バリー氏が亡くなりました。77歳だったそうです。もう少し生きていてほしかったですね。僕は小学生の卒業文集で書く将来の夢で「ジョン・ウィリアムズのような映画音楽の作曲家になりたい」と書いたくらいで映画音楽をよく聴いていたのですが、そのジョン・ウィリアムズにジェリー・ゴールドスミス、ジョン・バリーの2人を加えて勝手に「3J」と呼んで敬愛していました。存命なのはついにジョン・ウィリアムズだけになってしまいましたが。

たくさんいる映画音楽の作曲家の中で、重厚でスケール感のあるムーディーな曲を書かせればジョン・バリーの右に出る人はいなかったのではないでしょうか。また、ウィリアムズやゴールドスミスがどちらかと言えば正攻法な曲の作り方をするのに対し、彼はちょっとひねった作り方というか、例えばスピード感のあるアクションシーンで前述の2人がそのテンポにあった速いリズムの曲をあてるとするならば、バリー氏は敢えてスローな曲をあてて映像のスピード感の裏に潜む感情を強調するといった感じです。

主に007シリーズの音楽で有名な氏ですが、そのほかにもとても印象的な曲を残しています。その中で個人的に好きな曲をいくつか上げてみたいと思います。まずは「ナック」という映画の曲。割と初期の作品になります。夜のしじまに浸った港町を連想させるような、情感を誘うきれいなメロディですね。そんな曲のイメージとは相反して、映画の内容はコメディタッチの一風変わったお洒落でスタイリッシュなもの。そんな映像にこの曲をあてるところがジョン・バリーらしいとも言えます。作品はカンヌ映画祭でグランプリを受賞しています(下のYouTubeの動画は映画の映像ではありません)。

こちらはアカデミー作曲賞を受賞した「冬のライオン」のテーマ曲。管楽器の気高くて迫力のある旋律が印象に残ります。コーラス部分はゴールドスミスの「オーメン」を彷彿とさせますが、作られたのはこちらのほうが先ですね。バリー氏はこの翌年に007シリーズ「女王陛下の007」の曲を書いていて、メインの旋律がちょっと似ている気もします。

そしてブルース・リーの「死亡遊戯」。映画の内容は、ラスト付近でブルース・リー本人が出るくだり以外はちょっとアレですが、曲はそれまでのブルース・リー映画とは一線を画すかっこ良さです。

下の「レイズ・ザ・タイタニック」も映画の内容自体は腰砕けで悲しくなるものでしたが、曲はジョン・バリー節炸裂、典型的なバリー・メロディーです。

まあいろいろ挙げていけばキリがないですが、ジョン・バリーといえばやはり007なので、007物から好きな曲をいくつか。まずは「黄金銃を持つ男」の主題歌。ルルという歌手の気合の入った歌い方とバリー氏による軽快なアレンジ、そしてモーリス・バインダーが作ったタイトル映像が一体となって、ある種、怪作と言ってもよいくらいの素晴らしい仕上がりになっています。ボーカルのルルさんはあまりに気合が入りすぎて、1分25秒あたりで声が裏返ってしまってますが、しかしそれをそのまま使ってしまうとことが素敵ですね(笑)。

往年の007ファンは「ゴールドフィンガー」とか「ダイヤモンドは永遠に」などを主題歌のベストとして挙げるのでしょうが、僕は「リビング・デイライツ」のエンドクレジットで流れる曲「イフ・ゼア・ワズ・ア・マン」がとてもロマンチックで一番好きですね。歌っているのはプリテンダーズ。

最後にインストゥルメント曲をひとつ。「ムーンレイカー」から「フライト・イントゥ・スペース」。人類ノアの箱舟計画により、選ばれた人々がスペースシャトルに乗って宇宙ステーションまで行くくだりに流れる曲です。聴いているだけで無限に広がる深遠の宇宙が目の前に見えてくるようで、これぞジョン・バリーの真骨頂と言えるでしょう。ジョン・ウィリアムズの「スター・ウォーズ」、ジェリー・ゴールドスミスの「スター・トレック」や「エイリアン」とはまた一味違った、ちょっと大人な宇宙を感じさせてくれます。

このスケール感、重厚感、そして美しいメロディは、やはりジョン・バリーでなくては生み出せません。

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