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2011年9月 5日 (月)

「地獄の黙示録」

アマゾンで6月に予約注文しておいた「地獄の黙示録 3ディスク コレクターズエディション」。もともと8月3日発送の予定が1ヵ月延びて、先日ようやく到着。この手のコレクターズアイテムディスクは頻繁に発売延期になるので困ります。同じく6月初旬に予約しておいた「スーパーマン」のコンプリートディスクも、今になって「メーカーが発売の目処が立たず、注文をキャンセルします」との連絡がきました。何なんですかね? 発売の目処が立たないって。イギリス版を見たというユーザーレビューによると日本語字幕も既に入ってたとかで、品物自体は既に出来てるふうにもとれるのですが、どうなっているんでしょうか? 9月16日発売予定の「スター・ウォーズ」のブルーレイディスクは、遅れないことを願います。

で、「地獄の黙示録」ですが、この映画が公開されたのは僕が中学1年生の頃で、映画は全て初日の初回に見ることに拘っていた当時の僕は、たぶんこの映画もそうしたと思うのですが、多感な子供の心に強烈なインパクトを残しました。すぐに映画の影響を受けていた中学時代の僕は、学校の同級生としばらくのあいだ「地獄の黙示録ごっこ」をやってましたね(笑)。今でも自分の好きな映画ベスト10に入っています。そのような作品ですから、映画自体はもうレーザーディスクを買ったときから死ぬほど見ているので、本編は見ずに特典映像のみを鑑賞(笑)。

この映画が完成するまでの恐ろしく苦難な道はよく知られていますが、撮影現場に同行したコッポラの奥さんが作ったドキュメンタリー「ハート・オブ・ダークネス」や、他の特典映像を見るとそれがよくわかります。こういうのを見ると、僕は映画監督には絶対になれないなと思ってしまいますね(苦笑)。とにかく創造性とかクリエイティブな感性以上に、映画会社やキャスト、スタッフらとぶつかって渡り合える精神力、執着力が必要なのです。自分の思い通りにいかないとすぐにあきらめてしまう僕には不可能なことです。

そして当時の撮影風景を見ていて今さらながらに気づいたのですが、撮影スタイルが非常にシンプルですね。撮影されたのが35年も昔のことなので(日本公開は1980年)当然と言えば当然ですが、今の現場ではカメラの周辺に当たり前のように置いてある様々な電子機器がない。コッポラといえば誰よりもいち早く映画制作に先端テクノロジーを取り入れた人ですが、さすがにこの頃はまだ全てがアナログです。

例えば今は「ビジコン」といって、カメラが撮っている映像をモニタに出して、現場にいる誰もがそれを見れるようになっています。なので監督はそれを見ながら構図や俳優の演技を確認しますし、僕の場合はCG制作に不都合なことがないか確認するわけです。しかし当時はそんなものはありませんから、カメラが捉えている映像を見れるのはカメラマン(撮影監督)だけです。もちろん監督も最初に構図を決める際にファインダを覗いたりはするでしょうが、本番で見ることができるのはカメラマンだけ。カメラを通して俳優の演技がどう見えたか、何がどう写っているのかは監督にはわかりません。なので、今よりもカメラマン自身のセンスと力量が非常に重要だったのではないかと思うわけです。

逆に今はカメラからの映像を監督が常に見てますから、何から何まで監督のほうで細かく決めることができます。撮影現場で傍から見ていると、カメラマンがいなくても、監督が指示をだしてカメラオペレータが操作をすればいいんじゃない?と思うことがよくあります(カメラはカメラマンがひとりで操作するわけではなく、通常3~4人ほどのオペレータが操作し、ファインダを覗く人は撮影監督と呼ばれます)。実際、何から何まで自分で決めたいタイプの監督は、名の知れた大物カメラマンより、言うことを素直に効いてくれる使いやすいカメラマンと一緒に仕事をする傾向があるように思われます。

おそらく一般の人は映像作品の作り方として、ロケやスタジオで撮影したら、それを編集室に持ち込んで編集して、そのあと音楽や効果音をつけて・・・というふうに理解していると思います。基本間違いではありませんが、今は撮影現場でどんどん編集をしていきます。カメラからの映像はリアルタイムで現場のコンピュータに取り込まれ、エディタがその映像を使ってその場でどんどん編集していきます。特にCGや合成が多用される作品はあらかじめCGでプリビジュアライゼーション(略してプレビズ)を制作しますから、撮影前にカメラの動き、俳優の動きなどがほぼ決められていることが多いです。なので、撮影現場ではプレビズどおりに全てが再現され、撮られた映像はその場でコンピュータ上で元のプレビズの映像と摺り替えられていきます。CG制作者としては、事前に監督と一緒に作品の演出と流れを決めていく楽しみがありますが、果たして撮影や照明など現場のスタッフ達はこのやり方をどう感じているんだろうなぁと、ふと思うことがあります。

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