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2012年2月17日 (金)

反重力

わけあって、重力の影響を可能な限り受けない宇宙船の構造・仕組みとはどんなものかを考えています。もちろん重力には電磁気力のように同じ極どうしで反発しあう力(斥力)はありませんし、等価原理によって重さに関係なくどんな物にも均等に働くので、どうやってもそれを阻止することはできません。逃れるには、自分にかかる重力を振り切れるスピードで飛ぶしかありません。ただ、ブラックホールなど重力が極限の値になるような場所では、たとえ光速で飛んだとしても逃れられないので、ある一定の距離以上近づいてはダメということになります。

わかってはいるのですが、それでもブラックホールをごく間近で見れるように、強大な重力の影響を何とか振り切って接近できる機構みたいなものはないのか考えているわけです。都合のいいことに、先日カリフォルニア工科大学の大栗教授の「重力のふしぎ」という講座に出席したので、ズバリこのことを質問してみたのですが、案の定どうやっても無理だと(笑)。まあそうですよね(苦笑)。なので科学的には(少なくとも現在の科学では)ありえないが、パッと見、なんとなくそれっぽく見えるような設定というかコジツケというか、僕が持っている少ない知識の範囲内でしかありませんが、そんなものを考えてみることにしました。

まずは形状の面から考えてみます。ブラックホールではなく、もっと身近で乗り物に強大な力がかかるような例をさがしてみましょう。たとえば深海探査の潜水艦。何千メートルという深海では潜水艦にものすごい水圧がかかります。それに押しつぶされないように、人間が乗る部分は完璧な球体であることが求められます。ちょっとでも歪みがあると、押しかかる水圧のバランスが崩れてそこから崩壊してしまうのです。ということはブラックホール探査船も完璧な球にすれば強大な重力から身を守れるか・・・・・なんてことはないですよね(笑)。巨大な鉄球を高いところから落とせば、たちどころに地面に激突してしまいます。深海では360度全ての方向から圧力がかかるので球形が有効ですが、重力は基本1点からやってきます。なのでいくら形状を工夫しても無駄でしょう。

形状はあきらめて動作の面ではどうでしょうか? 思いつくのは超光速で飛ぶということです。光の速さではブラックホールに捕まってしまいますが、光より速ければその重力を振り切れるのではないかと。しかしアインシュタインの一般相対性理論によると、質量を持った物体は光速を超えられません。ただ、先日超光速のニュートリノが発見されたと話題になりましたよね。もしそうならば相対性理論が一部正しくないことも考えられますが、現時点ではまだ証明されていません。また、光速を超えると時間を遡ってしまうという話もあり、そもそも光速のような物凄いスピードで飛んでいたら、おちおちブラックホールの観察などやってられないでしょう(少なくとも人間の目視による観察は)。

次に考えられるのは「反重力エンジン」なる装置。SF物語ではよくあるこの装置、果たして作ることは可能なのでしょうか? 最初に書いたように重力は引力としてしか働かず、電磁気力のような反発する力はありません。電磁気力は同じ極どうしで反発しあうので、これを利用してリニアモーターカーが走ったりするわけです。重力にそのような斥力として働く知られざる力がある、もしくは作り出せれば反重力装置も可能なんでしょう。では重力に斥力として働く力は本当にないのでしょうか?

ところで、このブログにも前に書いたことがあったと思いますが、我々の住むこの宇宙はどんどん膨張しています。それも膨張のスピードがグングン加速しているのです。ビッグバンで生まれた宇宙はその後急速に膨張して今の大きさになったわけですが、空に投げたボールが次第にエネルギーを失って落ちてくるように、少し前までは星などの引力でそのうち宇宙の膨張は止まり、逆に縮小していくと考えられていました。宇宙がビッグバンのエネルギーによって成り行きで膨張しているのならば、物質間で働く重力が膨張にブレーキをかけるというのが定説だったのです。しかしごくごく最近になって、宇宙は加速的に膨張し始めていることが観察によって判明し、それを発見した人たちはノーベル物理学賞を受賞しています。

物質の総量から計算すれば宇宙の膨張にブレーキをかけていいはずなのに、なぜか逆に加速膨張しているということは、宇宙を押し広げる何かしらの未知のエネルギーが働いていることになります。現在そのエネルギーは「暗黒エネルギー」または「ダークエネルギー」と呼ばれています。物質間の重力に逆らって宇宙を膨らませているので、まさに重力に対して斥力として働いているわけです。まだそれがいったい何なのかは全くわかっていませんが、将来的にその謎が解明され、いつの日かダークエネルギーをうまく利用して反重力装置を作るといったことが、もしかしたらできるかもしれません。ただダークエネルギーは一定の大きさの空間には一定の量しか存在できないという説があり、それが本当ならば無理かもしれません。

いずれにせよ宇宙船でブラックホール探検ができるほど未来の世界ではダークエネルギーの正体もわかっているでしょう。わかるまではいろいろと想像する余地があるので、とりあえず現時点では反重力装置の手がかりとしてダークエネルギーを軸に考えてみることにします。

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