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2012年5月 8日 (火)

磯の価値

今日も会社前の磯をざっと見てみましたが、めずらしくタコがいました。ちょっと離れた芝崎という磯ではときどき見ますが、会社前の磯で見たのは初めてかもしれません。

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晴れた休日にはこの会社前の磯にもたくさんの人がやってくるわけですが、特に親子連れなんかはたいがい手に網とバケツを持ってうろうろしてるんですね。いつも不思議に思うんですが、あれはやはり磯の生物を取って持って帰ろうとしてるのでしょうか? もしそうだとして、持って帰ってどうするんでしょう? 水槽か何かに入れて飼うんですかね? 磯で生物を採取している人は、その生物が磯の生態系にどれほど重要なのか考えたりしないのでしょうか? 

まあヤドカリなどは腐るほどいるので、たかだか2、3匹とったところで影響はないと思うでしょうが、そのヤドカリが偶然にも珍しいヤドカリである場合があるかもしれません。でも一般人でヤドカリの種類などわかる人はいないでしょう。ろくに生物の知識もないのにやたらと採取するのはやめてほしいですね。取って帰るなら、その生物を繁殖させて増やしてまた元の磯に戻すくらいのことをしてほしいのですが、散々荒らして帰るだけなので始末が悪いです。遠くから観光で来る人は、自分が帰った後にその磯がどうなっても知ったことではないのでしょう。

仕事場前の磯はすごく狭いのにも関わらず、そこには実に多様な生物が生息していて、このような場所はなかなか他にはないのではないでしょうか。非常に貴重な磯だと思います。そこへ他所から来た能天気な人たちが、何も考えることなく生き物を採取していく。生態系というのは非常にあやういバランスの上に成り立っていて、特にこの磯は面積がすごく狭いだけに、ちょっとしたことでも致命的になりやすいです。例えばウミウシなんかは、去年は4月になれば青、白、黄色、紫、色々な種類のものを見れたのですが、今年は5月になってもアオウミウシばかりしかいません。原因が何かはわかりませんが、生態系が壊れればそれまでいた生物を見ることができなくなり、要は自分の楽しみがなくなるから嫌なのです(笑)。

おいそこかよ!と言われそうですが、原発の件でもわかるように人は自分の利害が関わってきてこそ物事について真剣になるわけで、ここから遠く離れたところに住んでいる人にとっては仕事場前の磯のことなんてどうでもいいでしょうが、僕にとっては自分の利益に関わることなんですね。かく言う僕も、この場所に来なければ環境とか生態系のことに関心は持たなかったでしょう。まあ、あくまでも個人的な利益ですが、恐らく周辺に住んでいる人はみな同じように感じているでしょうし、さらには葉山という町の利益にもつながってくるのです。

他所の人は、かつてこの磯が整備されて遊歩道になる計画があり、近隣の住民は反対運動を起して守ってきたという事実があることを知らないでしょう。つまりこの磯を荒らして生態系を乱すことは、この近辺の住民にケンカを売っている行為なわけです(笑)。このような貴重な磯があることは葉山のひとつの価値になっているわけで、磯を荒らすことは葉山の価値を下げることに他なりません。ここへ来る人はそういったことも考えて、生き物を「取る」のではなく、自然の水族館に来た気になって「観察」していってほしいですね。

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