« 飛鳥II再会 | トップページ | 飛鳥IIチケット »

2012年8月11日 (土)

講座2つ

今日は新宿で2つの講座を受講。

081101

まず朝10時から「スーパーコンピュータが明かす宇宙と物質の起源/真空の相転移・質量が生まれるしくみ」。講師は高エネ研の橋本先生。先月のはじめにヒッグス粒子発見のニュースがあって、そのときに「ヒッグス粒子とは物質に質量を与える粒子」という説明がどこでもされていたと思います。空間はヒッグス場というもので満たされていて、素粒子が動く際にヒッグス場の抵抗を受け、それが質量になると。しかし、実はヒッグス機構が関わっているのは素粒子の全質量のほんの2%にすぎず、残りの98%は量子色力学で示されるカイラル対称性の自発的破れによって得られるというのが今日のお話。

どういうことか、僕が理解した範囲内ですご~く大雑把に書いてみます(間違いがあるかもしれませんが)。光子や電子などの素粒子はそれ自身がコマのように自転していて(スピンと呼ばれる)、生まれながらにして左巻きか右巻きかが決まっています。この回転の向きは素粒子が飛ぶ方向に対して右か左かというものです。同じ光子でも左巻きのスピンを持った光子と右巻きのスピンを持った光子があります。

さて、世の中で一番速いスピードは光速です。つまり光子は光速で飛びます。そして質量はゼロです。質量が少しでもあるものは光速にはなれません。例えば電子などは、いくら軽いとはいっても質量はありますから、決して光速にはなれません。すると不都合なことがでてきます。例えばひとつの電子が自分に向かって飛んできていて、その電子のスピンが左巻きだったとします。次に同じようにスピンが左巻きの電子が自分のほうへ飛んできていますが、今度は自分が電子より速く動いているとします。するとどう見えるでしょう? 自分は電子より速いわけですから、電子は逆に自分から遠ざかっていきます。先に書いたように電子のスピンは左巻きです。しかし電子は自分から遠ざかっているわけですから、電子自身の進行方向に対してはスピンが右巻きになったように見えます。

光子の場合は絶対にこのようなことは起こり得ません。何者も光速にはなれませんから、観察者に対して光子がスピンの向きを変えることはありません。ということは光速より遅い粒子は観察する立場によってスピンが左巻きになったり右巻きになったり変わるわけで、ひとつの粒子に左巻きと右巻きの状態が混在していることになります。下の映像は僕が即興で作ったものですが、これはクォークと反クォークの対凝縮の様子を模式的に表しています。

こんな感じで素粒子レベルの世界では、真空の空間にクォークと反クォークが一瞬のうちに現れては消えといった現象が起きています。つまり一見なにもないように見える空間も、素粒子レベルで見ると、このように非常に「混雑している」のです。そしてほとんどの素粒子はこのボコボコ出てくるクォークにガンガンあたりながら動くので、当たって飛ぶ方向が変わるとスピンの方向も変わって見えるということになります。これが素粒子に質量を与える仕組みだということです。

昼食をはさんで、午後からは三角形と三角関数の講座。昼食は同じ住友三角ビルの上の階にあるレストランでいただきました。カツカレーです。

081103

なんで今になって三角関数の講座を受講したかというと、僕は昔から数学が苦手だったんですね。中学、高校と数学には全然興味を持てなかったのです。それでも中学のときは高校受験という目的がありましたから、嫌々ながらも一応は勉強していましたが、高校に入ってからは、もう美大を受験すると決めていたので、数学はこれっぽちもやらなかったわけです。しかし社会に出てCG制作の仕事をやり始めると、数式をプログラムして生まれる面白くて美しい形や映像に魅せられてしまったのです。

人間とは、自分にとって意味がないと思うものはどうやってもヤル気が起きませんし、好きにはなれません。しかし何かのきっかけで自分に役立つ、面白いと思えるようになると俄然ヤル気が出てくるもので、高校時代にお座成りにしていた数学に対して今更ながら興味が出てきたわけです。宇宙論や素粒子論に数学が欠かせないことも一役買っていると思います。で、三角関数というのは図形の基本なので、より理解を深めておけば何かと役に立つだろうと思い、受講したのです。内容は、余弦定理、正弦定理といった公式を理解して、それを証明したり、それらをつかって三角形の性質を探るというものでした。

|
|

« 飛鳥II再会 | トップページ | 飛鳥IIチケット »

素粒子」カテゴリの記事